ねことわたし
猫が好き
最近の猫ブームに
乗っかったわけじゃなくて
昔から
猫が好き
昔飼っていた猫を思い出す
かわいくて仕方なかったのに
わたしにはなつかなかった
病気になって死んじゃった
その日最初に死んでるのを見つけたのは
小学校から帰ってきたわたしだった
急いで母の職場に電話した
電話口で母が泣いてた
わたしはそれからしばらく
死んじゃったその猫と一緒に
家にいないといけなかった
少し怖かった
そのあとのことはよく覚えていない
庭に埋めてあげた
みんな泣いてた
と思う
父も姉も
わたしは泣かなかったかもしれない
悲しかったけど
泣かなかった気がする
どうしてだろう
小学生の頃からすでに
心のない子だったのか
あれから動物を飼ったことはない
かわいいと思うし
飼いたいと思うけど
きっとあの日
わたしが一人で見た
猫の死んだ姿が
目に焼き付いているからなんだ
あの頃の家を思い出すと
なんだか幸せで溢れていた
父と母はそうではなかったかもしれないけど
少くともわたしは
とても楽しい毎日を過ごしていた
猫との思い出は
そんないい時代を
思い出させる
今はそれが少し辛い